入金・振込で口座を分けて最適化。 未経験から世界を目指すラーメン屋の銀行活用術。 カテゴリー1

株式会社ヒカリッチ アソシエイツ
代表取締役
髙橋 夕佳
Takahashi Yuka

Profile

新潟大学教育人間科学部を卒業後、東証一部上場の不動産会社に就職。20代で3児の母となるも、子育てをしながらの起業を決意。現在は、「焼きあご塩らー麺 たかはし」を都内3ヶ所(注)にて展開中。
(注)2018年5月時点。2018年8月には、新宿・歌舞伎町に初の大型店舗がオープン予定。

都内3ヶ所にて「焼きあご塩らー麺 たかはし」を展開する株式会社ヒカリッチ アソシエイツ代表取締役の髙橋 夕佳さん。飲食未経験で創業しながら、現在は世界展開を見据える事業へと成長させている。そんな髙橋さんが、飲食店経営の現場で大切にされている銀行との付き合い方とは。

Points

Point1 店舗契約のための
資金調達に苦しんだ創業期

ーー御社の事業について教えてください

「焼きあご塩らー麺 たかはし」というラーメン店を経営しています。焼きあご(トビウオ)を出汁に使ったラーメンが特徴で、新宿・上野・銀座の3店舗を展開しています。
新宿と銀座に関しては早朝まで営業しているので、スタッフは従業員・アルバイトを合わせて約40名と、3店舗にしては多い方だと思います。一番の人気メニューは焼きあごを使った中濃の塩ラーメンで、お客様の7・8割にご注文いただいています。

ーー創業の背景を教えてください

夫と3人の子どもと新潟で暮らしていたのですが、夫がラーメン屋を始めたいと言って、家族で上京しました。最初は手伝う程度のスタンスだったんですが、やり始めたら私の方がはまってしまったという感じです。

ただ、会社経営はもちろん、飲食店経験もゼロだったこともあり、創業期は本当に大変でしたね。2011年に会社を立ち上げたんですが、1号店の物件を決めるのに1年以上かってしまい、その間は売上がもちろん0円。二人でアルバイトをして暮らしました。

好立地の物件を見つけることも難しかったのですが、それ以上に銀行からの融資の審査に苦しみました。銀行に融資を申込む際には、事業計画や収支予測の提出が必要なんですが、素人なのでイメージできないんですよね。通過しやすいと聞いていた区の創業者向けの制度にも落ちてしまいました。

結局、金融機関には頼らず、少ない元手を身内からかき集め、予算に収まる居抜き物件を見つけ出して、ようやく開業に至ることができました。

Point2 振込手数料の節約のため、
住信SBIネット銀行を利用

ーー創業後の銀行との付き合い方について教えてください。

最初は、お店から近いメガバンクで口座を開設しました。シンプルに現金での売上の入金が一番楽だからですね。その後は新規出店に応じて、各店舗毎の口座を増やしていきました。理想を言えば、街中にATMがあるメガバンクさんの口座を売上の入金口座として利用しながら、同時に融資を受けられればいいのですが、大手のメガバンクさんで私たちのような小さな企業が融資の申込をするのはかなりハードルが高いので、実際には政府系の金融機関だったり、信用金庫さんから融資を受けていました。

あとは、各店舗毎の口座に加えて、振込用の口座として住信SBIネット銀行を利用しています。振込用の口座はできるだけ手数料の安いところを使いたいと思い、取引業者や社員・アルバイトのスタッフへの支払いが増え始めた時期に口座を開設しました。

住信SBIネット銀行の口座からの振込は、他銀行で同行間振込する手数料よりもさらに安いんですよね。40名分の給料や、二桁を超える仕入れ業者さんへの支払いなど、全てをこの口座から支払っています。

Point3 トランザクションレンディングがあれば、消費者金融に頼る必要はなかった

ーー資金調達の際に大切にされていることを教えてください。

飲食店は先行投資型のビジネスなので、出店のタイミングで大きな借入れができる状況にしておくこと、運転資金の融資を通じてキャッシュフローの安定性を保つことを意識しています。二つとも、未経験から飲食店経営を始めて悩んだ点です。

新規出店については、良い物件を見つけながら、金融機関との借入れの調整が間に合わずに競合に物件を取られてしまうことがたくさんあり、悔しい思いをしました。良い立地なので手付金だけでも払おうかと考えるんですが、融資の審査が通らなかったらと考えて、動きが遅くなることもありましたね。

キャッシュフローについては、創業当時は日次のPL(損益計算書)が見える化されておらず、銀行の残高だけで今月はいくら増えた、減ったという管理をしていて、闇雲で肌感覚な改善しかできなかったんです。

ーー飲食店にとってトランザクションレンディングはどんな価値があるでしょうか。

短期間で運転資金の借入れができるので、先に上げたキャッシュフローの安定化のために、非常に有効だと思います。私自身、創業期は自転車操業をしていて、月末の支払いができなくなると、消費者金融から借入れをしていたことがあるんです。

このままだと業者さんへの支払いが間に合わない。銀行の借入れは審査に時間がかかる。そんな時にすぐ借りれるからという理由で消費者金融で運転資金を繋いでいました。

それでお金はなんとかなるんですが、心理的な負担が非常に大きいんですよね。「もう、終わったな」と思うことすらありました。だからこそ、短期間で借りられるトランザクションレンディングは、創業期に知っていたら間違いなく使っていたと思います。

Point4 飲食は誰でも
世界に挑戦できる土俵

ーー今後の抱負や、飲食店の開業・多店舗展開を考える方にメッセージをお願いします。

私がラーメンにハマった理由と同じなのですが、飲食店経営の面白いところは学歴やキャリア関係なく、小さな店舗が大手と同じ土俵で戦える点にあると思います。さらには、日本の飲食はレベルが高く世界に通用します。私たちも世界に行って実績を作り、未経験からでも世界に通用することを証明したいです。

新しいことを始める時はできない理由のほうが多いし、周りからは心無い言葉をシャワーのように浴びることもあると思います。でも、どれだけ逆境であろうと、なんと言われようと、自分の理想を揺るがずに持ち続けて結果が出たときは本当に楽しいと思うんです。

理想を揺るがずに持ち続け、前進していくのは難しいことですが、一緒に頑張りましょう。

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