デビットカード・クレジットカードは用途に応じて使い分ける 急成長スタートアップCFOが考える、カード活用術。 カテゴリー1

株式会社 Emotion Tech
取締役 CFO
飯尾 礼治
Iio Reiji

Profile

大学卒業後、大手外資系証券会社にて法人営業に従事。早稲田大学ビジネススクール(MBA)在学中の2013年に(株)wizpra(現・(株)Emotion Tech)を共同創業。

2013年の創業後、顧客の声を起点としたカスタマー・エクスペリエンスの向上をサポートするサービス、「EmotionTech」の開発・運営を手掛ける株式会社Emotion Tech。ベンチャーキャピタルなどから数億円を超える資金調達を実施した同社が考える、銀行の活用法とは。同社CFO(最高財務責任者)の飯尾 礼治氏にお話を伺います。

Points

Point1 創業期の借入れは、
事業計画の説明に苦労した

ーー御社の事業について教えてください

「EmotionTech(エモーションテック)」という法人向けのクラウドサービスを運営しています。具体的には、クライアント企業の顧客や従業員の声を集め、分析することで、カスタマー・エクスペリエンスや従業員エンゲージメントの向上を支援するサービスです。これまで、200社を超える企業に導入いただいています。

もともと、私は証券会社に勤めていたのですが、MBAスクールで当社代表の今西と出会いました。彼が前職で抱えていた働き方や組織作りの課題に共感し、一緒に創業しました。創業時は今とは全く異なるサービスを展開していましたが、「全ての人が生き生きと働ける社会を創る」というミッションは当時も今も一貫しています。

ーー創業から現在まで、どのように資金調達を実施されてきたのでしょうか

当社は銀行からの借入れ、ベンチャーキャピタルや事業会社への第三者割当増資を、複数回実施しています。創業期は、まず政府系の金融機関から借入れをした後、民間企業が運営するアクセラレータープログラムに採択されて出資を受けました。

特に政府系の金融機関の借入れについては苦労しましたね。社会的にインターネットビジネスが増えているとはいえ、創業期は実績が全くない状態だったので、融資担当者に事業内容を理解してもらうことすら大変でした。結局、資料を作り込んで、確認してもらって、というのを繰り返し、融資実行まで3・4ヵ月はかかった気がします。

Point2 ネット専業銀行を活用して低コスト体質の地固めを

ーー金融業界ご出身の飯尾さんでも、創業期の資金調達には苦労されたのですね。その後、銀行とはどのように付き合っていったのでしょう。

創業時にメガバンクでメイン口座を開設しました。それから、日々の活動量が増えていくタイミングで複数のネット専業銀行の口座を開設しました。請求書の支払いや、立替経費の精算など、日々発生する振込は住信SBIネット銀行を主に利用しています。サーバー代の支払いも、外貨送金の手数料が安い住信SBIネット銀行を利用しています。

創業から半年が経過した頃、複数の銀行口座の管理を始めました。これは、事業の拡大に伴って、従業員の給与支払いなどの取引量が増えていくことを想定し、早めに仕組みを作ろうと考えたからです。複数の銀行口座を持つことは、すぐにキャッシュの状況を把握したい時に、ちょっと面倒に感じるくらいで、そこまで手間はかからないと思っています。

むしろ、ネット専業銀行以外の一般的な銀行との振込手数料の差額を考えれば、1回あたりはそれほどでも、一度仕組み化してしまえば、長期でのコスト削減効果は大きいので、創業期にこうした仕組みを整えておくのが効果的だと思います。

ーー他には、どういった場面で銀行の活用をされていますか

法人のデビットカードを利用しています。

弊社の場合は、WEBサービスの利用料金など、毎月ある程度の金額の支払いが必ず発生するものに利用しています。請求書払いも可能ですが、カード払いの方が断然楽なので、創業時は経営陣個人のカードで立替払いをしていました。

しかし、だんだんと金額の規模が大きくなってきたので、法人のデビットカードに代えたんです。法人のクレジットカードもありましたが、創業期は利用可能額の枠が小さく、対応できなかったというのもあります。

あとは、デビットカードであれば、クレジットカードと違い、枠の管理などをしなくて良いのも利点ですね。日々の決済の中で、頻繁に発生して、月毎に金額のばらつきがあるようなものの支払いは、デビットカードでまとめて行うようにしています。

Point3 「レンディング・ワン」には、運転資金をすぐ厚くできる安心感がある

ーー法人口座の利用状況に応じて借入条件が毎月お知らせされ、最短当日借入れが可能な「レンディング・ワン」は、御社のような成長スタートアップ企業にはどう映るでしょうか。

もし、創業期に同じようなサービスがあれば確実に利用していただろうな、と思います。先ほども申し上げた通り、創業当時は借入審査のための資料作成に非常に苦労した経験があるので、そうした負担が無い資金調達方法というのは、とても魅力的だと思います。

借入れの申込から入金までの期間が非常に短いので、借入可能額を予め確認しておいて、手もとのキャッシュがちょっと怪しくなった時に、実際の借入れができると、経営者にとっては非常にありがたいですよね。

今は中長期の資金計画に則って資本政策を進めていますが、営業の状況が急に変わり、短期で借入れが必要になることは、いつでも起こりうると思います。キャッシュフローの読みがずれた時に、手もとの資金を一時的にでも厚くできるというのは安心感にも繋がりますね。

Point4 CFOはわからないことを意思決定していく力が重要

ーー最後に、急成長スタートアップでCFOを務める飯尾さんが考える、「CFOとして大切にしていること」について伺わせてください

難しいテーマですが、特に創業期は、CFOといえど何でも屋に近いと思います。他のメンバーの手が回らないことを全てやる役割なのかなと。やることはほとんど初めてのことになりますが、だからこそ、知識も経験もない中でいかにスピードを落とさずに、最短でゴールまでたどり着けるかが大事だと思います。

私の個人的な性格としては、細かく調べたいタイプなんですが、それをやっていると間に合わないので、どこかで踏ん切りをつけてエイヤで決めるんです。最初はそれがストレスかもしれませんが、回数が増えてくると決断の精度が上がっていくのかなと思います。

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