米国雇用統計

パッとわかる!今回7月雇用統計のポイント

米4-6月期GDPの高成長を裏付ける堅調な労働市場を確認するか

日米金融政策の違いをあらためて確認、ドル高・円安の再燃になるか

米高成長が労働市場の逼迫、賃金上昇に結びついているか

2月 3月 4月 5月 6月 7月
(予想)
非農業部門 雇用者数(万人) +32.4 +15.5 +17.5 +24.4 +21.3 +19.3
失業率(%) 4.1 4.1 3.9 3.8 4.0 3.9
時間給賃金 前月比 +0.1% +0.2% +0.1% +0.3% +0.2% +0.3%
時間給賃金 前年比 +2.6% +2.6% +2.6% +2.7% +2.7% +2.7%
  • ①先週末発表の米4-6月期GDP速報値は前期比+4.1%と3年9ヵ月ぶりの高成長となり、個人消費が+4.0%と成長率を+2.7%押上げた一方、企業の設備投資は前期の+11.5%から+7.3%へ低下、こうしたことが就業者数に影響を及ぼしているか注目。
  • ②個人消費の増加によりサービス業などを中心に雇用増、人材確保を背景にして賃金増に結びついているか注目。
  • ③貿易問題により資材調達コストの上昇や住宅ローン金利の上昇が影響し、住宅投資に減速傾向が見られるだけに建設関連を中心に就業者数の伸び悩んでいる可能性もあり要注意。
  • ④GDP成長率は3年9ヵ月ぶりの高成長となったものの、NY株式市場は下落するなど米経済の4.0%成長の持続性を疑問視する見方のほか、4.1%成長が天井になるとの見方もあり、雇用面でのピークといった見方につながるか注目。
  • ⑤日銀政策会合後の日本の長期金利の反応次第だが、米雇用統計の結果を受けて  米10年債利回りが3.0%台を回復し再びドル高・円安への契機になるか注目。
グラフ:米GDP成長率 前期比(%)

30-31日の日銀政策会合を前に日銀は先週末27日に23日に続く指値オペ(国債の無制限買入れ)を実施しましたが、27日の指値オペは0.10%と従来の固定概念(指値オペは+0.11%)を覆し、日銀が誘導目標に柔軟性があることを示した格好となったことから、長期金利の小幅な上昇を容認するとの見方が聞かれています。日銀の金融政策の柔軟性を示すことになれば、円高への歯止めにもつながる可能性があるだけに、今回の雇用統計が予想を上回り、FRBの年内あと2回の利上げの正当性を裏付ける結果となるのか、先週末の米4-6月期GDPの4.1%成長と合わせ、あらためて金利差が意識される可能性もあり、雇用統計を契機にドル円は再びドル高・円安方向に振れかもしれません。

グラフ:米雇用統計非農業部門就業者数および失業率 グラフ:米時間給賃金 前年比および前月比

前回6月の米雇用統計のおさらい

  • 就業者数が予想を上回り、前月、前々月も上方修正、3ヵ月平均も21万人超と堅調
  • 失業率は3ヵ月ぶりに4.0%台へ上昇、労働参加率の増加が影響。過度な懸念に至らず
  • 時間給賃金は前年比+2.7%と予想を下回り、賃金上昇によるインフレ加速は見られず
  • 25歳~54歳の労働参加率は79.3%へ上昇、今回の景気拡大局面における最高水準に
  • 総じてFRBの段階的な利上げを継続する内容、株式市場にとって好都合な結果に

6月の雇用統計では、既に職に就いているか、求職中の成人の割合を示す労働参加率が62.9%と前月の62.7%から0.2%増加しました。仮に労働参加率の上昇が無ければ失業率は約50年ぶりの低水準にまで達していた可能性もあったとの見方も聞かれています。労働力人口が60.1万人増加していることから、これまで就職活動を行ってこなかった人たちが再度労働市場に戻ってきていることを示しており堅調な労働市場を裏付ける結果となりました。
さらに、25歳~54歳の労働参加率は79.3%へ上昇、今回の景気拡大局面における最高水準に達しています。2000年台半ばの景気拡大局面に付けた80.1%には若干届いていないことから、過度なインフレ加速への懸念は後退しました。
今後、労働市場の逼迫がどの程度のペースで加速するのか、さらにはインフレ率の上昇につながるような持続的な賃金上昇に結びついていくのかが焦点となります。
こうした中、トランプ政権の保護主義を掲げる通商政策が企業業績や設備投資への影響を通じて労働市場にどのような影響が及ぶか注目されます。

※米ドル/円5分足のチャートより抜粋

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米国雇用統計とは?

米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。失業率や非農業部門就業者数、週当たり平均賃金など労働市場の情勢を見る十数項目のデータが盛り込まれています。米国の景気動向を測る上で最も重要な指標で、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定に影響を与えます。

雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するので、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

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