米国雇用統計

パッとわかる!今回のポイント

雇用統計を受け米長期金利上昇、ドル/円の110円台回復なるか?

時間給賃金(前年比)を受けインフレ加速への警戒感が再燃するか

6月FOMCでの利上げ観測を決定的なものにするか

4月30日(月)に発表された米3月個人消費支出コアデフレーターが前年比+1.9%と上昇、2017年2月以降で最大を記録しました。こうしたことも影響し、5月FOMC声明では、インフレ率が目標の2%に近づいたと認めた上で「インフレ率は前年比の伸びが中期的に目標の2.0%近辺で推移すると予想される」としてインフレ率物価目標である2.0%に近づいていることに自信を示し、6月FOMCでの利上げの可能性を示唆しました。FRBが物価の目安としている個人消費支出コアデフレーターについては前年の携帯電話サービス料金などの大幅値下げに伴うベース効果によるもので、FRBはすでに3月FOMC議事要旨でこうした動きを予想、「利上げペースの見通しを変える理由にはならない」と言明していました。それでも雇用統計発表前日の5月31日(木)に発表される4月の個人消費支出コアデフレーターは+1.8%と前月からやや減速される見通しとなっておりこちらと合わせインフレ指標の一つとされる雇用統計の時間給賃金(前年比)があらためて注目されそうです。さらに、経済活動は緩やかに拡大、雇用の伸びについても過去数ヵ月に渡り底堅いとして、景気や雇用の減速については重要視しない姿勢が示されました。
今週末6月1日(金)に発表される米5月雇用統計では、6月FOMCでの利上げ観測をダメ押しする結果となるか、さらには年3回との緩やかな利上げペースが示された5月FOMC議事要旨から再度利上げペース加速の兆候を示す結果となるか注目されます。今回の結果を受けて米長期債利回りの上昇につながり、米10年債利回りが節目とされる3.0%を再度上回るきっかけとなるか、NY株式市場の反応と合わせて注目されます。

グラフ:米雇用統計非農業部門雇用者数および失業率 グラフ:米時間給賃金 前年比および前月比
12月 1月 2月 3月 4月 5月
(予想)
非農業部門 雇用者数 +17.5万人 +17.6万人 +32.4万人 +13.5万人 +16.4万人 +19.0万人
失業率 4.1% 4.1% 4.1% 4.1% 3.9% 3.9%
時間給賃金 前月比 +0.4% +0.3% +0.1% +0.2% +0.1% +0.2%
時間給賃金 前年比 +2.7% +2.8% +2.6% +2.6% +2.6% +2.6%

前回の米国雇用統計のおさらい

4月の米雇用統計では失業率が3.9%と17年ぶりに3.0%台への改善が進みました。しかし、就業者数は3月に続き2ヵ月連続で市場予想を下回る16.4万人増に留まるなど就業者数の鈍化を確認する結果となりました。さらに注目された時間給賃金(前年比)は+2.7%から+2.6%へ下方修正された前月と変わらずの2.6%と市場予想(+2.7%)を下回り、賃金インフレの兆候を確認するには至りませんでした。

失業率は17年ぶりの低水準に改善した一方、労働参加率が前月の62.9%から62.8%へ低下していることも影響しているとされ3.0%台の低失業率が続くか注目されます。米中通商交渉や鉄鋼・アルミの輸入制限のほか、原油高の影響が企業収益の圧迫につながるとの懸念もあることから、賃金上昇の足かせになるとの懸念もあり時間給賃金上昇に至らなかったとの見方もあり、引き続き賃金動向が注目されます。さらに、FOMCで示されたFRBの緩やかな利上げペースを確認する中、6月利上げ観測は根強いものの「年3回」の利上げペースを「年4回」に引き上げざるを得ないようなインフレ加速への懸念が台頭するのか、個人消費支出や小売売上高などと合わせ引き続き注目されます。
NY株式市場、就業者数や時間給賃金の伸び悩みを受けてマイナス圏で取引を開始したもののNYダウは、長期金利の低下を背景に下げ幅を縮小。さらにサンフランシスコ連銀総裁は、インフレ率が目標値の2%を短期間に上振れても違和感はないと述べたほか、インフレ率が急加速するとは予想していないとの考えを示したことも支援材料となりダウは一時400ドル超の上昇を経て332ドル高で取引を終了。ナスダック、S&Pも上昇するなど大幅高となりました。

※米ドル/円15分足のチャートより抜粋

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米国雇用統計とは?

米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。失業率や非農業部門就業者数、週当たり平均賃金など労働市場の情勢を見る十数項目のデータが盛り込まれています。米国の景気動向を測る上で最も重要な指標で、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定に影響を与えます。

雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するので、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

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