WEEKLY REPORT

2018/12/18更新

ウィークリーレポートは毎週更新!
先週のおさらいと今週のイベントと
為替動向の予想をお届けします。

3分でチェック 今週のポイント(経済イベントなど)

FOMCでの利上げが確実視される中、注目は来年の金融政策の行方

FOMCを契機に米債券市場の一部期間で見られる逆イールドの解消はあるか

英EU離脱協定案を巡る動向、ドルの対欧州通貨での動向に注目

来週のクリスマス休暇を前にポジション調整の動きに要注意

英中銀政策委員会や日銀政策会合は無風を予想。しかし中銀総裁発言に要注意

おさらいしよう!先週の動き

ドル/円 先週のレンジ 112.25-113.71

先週の振り返り

7日に発表された米11月雇用統計は就業者数が予想を下回ったほか、10月分も下方修正されたことが材料視され、景気減速懸念が台頭したことでNYダウは662ドル安まで下落するなどリスク回避の動きを強めたことからドル円は112円56銭まで下落し112円70銭で取引を終えました。

週明け10日は7日NYダウの大幅下落の影響から日経平均株価が大幅安となったことでドル/円は112円25銭まで下落しました。しかし11日に予定されていた英EU離脱協定案の議会採決を巡り否決の可能性が高まっているとして英メイ首相が延期を発表。ドルが対ポンド、対ユーロなど欧州通貨で上昇したことに伴ってドル/円も113円37銭まで上昇しました。

翌11日の東京市場では前日のNYダウの反発にも日経平均株価が続落したこともあり、ドル/円の上値の重い値動きを継続し113円台前半での小動きに終始しました。しかし、米中貿易問題の進展に向けて米中政府関係者が電話会談を行っていることが明らかとなったほか、トランプ大統領からも交渉進展に前向きな発言が聞かれたことからドル/円は113円46銭まで上昇しました。

また、前日のNYダウの上昇のほか、週明けからの2日続落した日経平均株価に自律反発の動きも観測され500円以上の反発となった12日の東京市場のドル/円は113円31銭から113円52銭と堅調な値動きを続けました。また、メイ首相に対する保守党内での不信任決議案が提出されましたが、投票前に不信任否決の票が集まったことが判明、加えてイタリアの2019年予算案を巡り、財政赤字を対GDP比で従来の2.4%から2.04%へ修正との報道が対欧州通貨でのドル売りにつながり、ドル/円も一時113円14銭まで下落したものの、米長期金利の上昇もあり下げ止まりました。

13日の東京市場のドル/円は113円21銭を下値に日経平均株価の続伸のほか、上海株が3日続伸するなど米中貿易問題の進展を歓迎する動きなどを背景に113円50銭まで上昇後も堅調な値動きを続けました。また、ECB理事会ではインフレ見通しや成長率見通しが下方修正されたほか、ドラギECB総裁も先行き見通しに対し下振れリスクに言及したこともあり、ユーロやポンドが対ドルで伸び悩んだことやNYダウの上昇などを背景にドル/円は113円71銭まで上昇し、113円58銭で取引を終えました。

先週末14日の東京市場では朝方こそ113円65銭まで上昇したものの、日経平均株価が週末を前にした利益確定売りに押され462円安まで下落するなど軟調な値動きとなったことがドル/円の上値抑制につながりました。しかし、下値も113円42銭と限られあらためてドル/円の堅調地合いを確認することとなりました。また、欧州市場では前日のEU首脳会議での英メイ首相からの要請にもEU各国首脳からはEU離脱協定案の修正には応じない姿勢が改めて示された影響もあり、ポンドが対ドルで下落。再びユーロも含めて対欧州通貨でのドル買いとなり、ドル/円は113円59銭まで反発しました。

米11月小売売上高が予想を上回ったことで、ユーロ圏の製造業、サービス業PMIが予想を下回ったことと対照的な結果となり、ドル/円は113円67銭まで上昇した一方、ユーロは1.1270ドルへ下落するなどドル買いが優勢に。しかし、その後に発表された米製造業、サービス業PMIも予想を下回ったことにより中国の小売売上高や鉱工業生産、ユーロ圏、米国のPMIが予想を下回り世界経済減速懸念が高まったことで、NYダウが一時563ドル安まで下落するなど欧州株の下落とともにNY株も下落。日本、アジア、欧州に続きNY株式市場が大幅安となったことで株式市場から債券市場で資金が流れ、株安の中で長期金利が低下したことでドル/円は113円21銭まで反落後、買い戻しも観測され113円41銭へ反発し113円37銭で12月14日のNY市場の取引を終了しました。

注目すべきポイントはここ!今週の見通し

今週の注目は、確実視される利上げ以上に来年の金融政策の行方が注目されるFOMC、英EU離脱協定案を巡る動向、そしてクリスマス休暇を前にしたポジション調整や米国企業の海外事業所からの収益の米国回帰(レポトリエーション)の動きなどが今週の相場動向を左右する大きな要因となりそうです。

直近の調査によるとFOMCに関して今週2.25%~2.50%へ引き上げられる確率は73%程度と確実視されています。注目はドットチャート(FOMCメンバー各々の政策金利見通し)や経済・インフレ見通しについて前回9月からどのように変化しているのか、リスクセンチメントが上向きか、下向きか注目されるポイントとなります。米中貿易問題による世界経済への下押し圧力は原油価格の下落と無関係ではなく、インフレ圧力の低下につながる要因として懸念されるだけに、FOMCでFRBが来年の利上げ回数を9月時点での年3回を少なくとも年2回に減らすとの市場の見方に沿ったものになるかFRBの判断が注目されます。声明文から「さらなる漸進的な利上げ」との文言が削除されると見られており、債券市場の反応が注目されます。現状、2年債—5年債など一部の期間での長短金利差の逆転が見られているだけに、こうした逆イールドの状態がFOMCを契機に解消に向かうのか、為替市場に影響を及ぼすだけに注目されます。

また、先週13日のEU首脳会議初日に英メイ首相は、北アイルランドの国境問題を巡り、明確な国境線を回避する策が明確になるまで英国はEUの関税同盟に留まるとの英国が不満を表明していた点について、『一時的な措置』との確約、もしくは「政治宣言」として盛り込む修正などがなければ受け入れることは出来ないとしてEU側に理解を求めましたが、英国を除く27ヵ国は『発動された場合でも、適用は一時的である』とする声明を採択。一方、EU首脳会議の声明でEU離脱協定案の再交渉する用意はないとの点についても確認されました。ポンドのこうした報道に対する反応は限られており、下げ渋るに留まりました。既にこの程度の動きは想定の範囲内だったのか、あるいは議会での可決を大きく促すには力不足なのか、今週も引き続き、こうした英EU離脱協定案を巡る動向が相場の波乱要因となり得るだけに注意する必要がありそうです。

さらに今週はクリスマス休暇前の最終週となるだけに、ポジション調整のほか、米企業による海外事業所から米国への利益送金(レパトリ)の動きも想定されるだけにドルの下支え要因となるかもしれません。

そのほか、18日に公表される豪中銀政策委員会(4日)議事要旨では翌5日に発表された豪7-9月期GDPの予想以上の減速を把握していたのか、先行きの労働市場や住宅市場を中心に経済見通しについての声明内容が注目されます。また、英中銀政策委員会も現状維持が予想される中で、英EU離脱問題についての言及の有無が注目されます。さらに20日には日銀政策決定会合が予定されているものの、殆ど材料視されていないだけに、黒田日銀総裁が想定外の発言を行わない限り、無風と見ていいのではないでしょうか。

そのほかの注目すべき経済指標として21日に発表される米7-9月期GDP確報値や米11月個人消費支出など債券市場に対する反応がインフレの先行きを見る上で注目されます。仮に米10年債利回りが3.0%台を回復するほか、逆イールドの解消が進むことになればドル/円の114円台回復もあるかもしれません。

今週発表される主な経済指標としては、以下が予定されています。

12月17日: 英12月住宅価格、ユーロ圏10月貿易収支、11月消費者物価指数(改定値)
カナダ10月証券投資、米12月NY連銀製造業景況指数、
米12月受託市場指数、米10月対米証券投資
12月18日: NZ12月企業景況感、豪中銀金融政策会合議事要旨公表
独12月IFO企業景況感指数、カナダ10月製造業出荷
米11月住宅着工件数、住宅着工建設許可件数
12月19日: NZ7-9月期経常収支、日本11月貿易収支、独11月卸売物価指数
英11月消費者物価指数、11月小売物価指数、11月卸売物価指数
ユーロ圏10月建設支出、米7-9月期経常収支、カナダ11月消費者物価指数
米11月中古住宅販売件数、FOMC、パウエルFRB議長会見
12月20日: NZ11月貿易収支、NZ 7-9月期GDP、豪11月失業率、新規就業者数
日銀政策決定会合、日本10月全産業活動指数、黒田日銀総裁会見
ユーロ圏10月経常収支、英11月小売売上高、英中銀政策委員会、議事要旨公表カナダ10月卸売売上高、米12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数
米新規失業保険申請件数、米11月景気先行指数
12月21日: 日本11月全国消費者物価指数、独1月消費者信頼感調査
仏12月企業景況感指数、11月卸売物価指数、11月消費支出、7-9月期GDP
英7-9月期経常収支、英7-9月期GDP
カナダ10月小売売上高、10月月次GDP、米7-9月期GDP確報値
米11月耐久財受注、米11月個人消費支出・個人所得、PCEデフレーター
米12月ミシガン大消費者景況指数、ユーロ圏12月消費者物価指数

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