WEEKLY REPORT

2018/8/21更新

ウィークリーレポートは毎週更新!
先週のおさらいと今週のイベントと
為替動向の予想をお届けします。

3分でチェック 今週のポイント(経済イベントなど)

米中通商交渉の行方に注目。関税を巡る報復合戦に終止符の目処がつくか?

トルコ市場が休場で流動性が低下する中、トルコと米国の関係に進展があるか?

FOMC議事要旨やパウエルFRB議長の講演での米金融政策の方向性に注目。

ドル/円は110円から112円のレンジ内取引か、状況次第では上振れ期待も

おさらいしよう!先週の動き

ドル/円 先週のレンジ 110.11-111.43

※ドル/円、2時間足チャート

8月10日、ユーロ圏内のいくつかの銀行が抱えるトルコ関連の投融資残高をECBが調査との英フィナンシャル・タイムズの報道を契機に、ユーロ安が進行。トルコリラもトランプ大統領によるトルコからの鉄鋼・アルミ関税引上げの報道も加わり、対ドルで6.80リラへ、対円でも16円台前半へ急落しました。対欧州通貨、対新興国通貨でのドル高が進行する中、クロス円の下落がドル/円の上値抑制となりドル/円も一時110円51銭へ下落し110円93銭で8月10日のNY市場の取引を終えました。ユーロ/ドルは1.1388ドルへ急落、ユーロ/円も126円02銭まで下落しました。

週明け8月13日の外国為替市場は、10日から続いたトルコ情勢を巡る先行き懸念を背景にトルコリラは対ドルで7.2リラ台へ、対円でも15円台半ばへ下落するなど下値模索が続き、日経平均株価も400円超の大幅安となる中、ドル/円も110円11銭まで下落しました。しかし、節目とされる110円割れを回避し、下値での底堅さを確認、翌日にトルコで拘束中の米国人牧師釈放への期待感がトルコと米国との対立沈静化につながるとの楽観的な見通しを背景にトルコリラは対ドル、対円で下げ止まり、緩やかな反発に転じました。こうした安心感を背景にドル/円も111円31銭まで反発、さらに翌15日の東京市場では111円43銭まで上昇しました。しかし、その後もポンド/円が昨年6月以来の安値となる139円90銭へ下落したほか、豪ドル/円が一昨年11月以来となる79円71銭まで下落するなどクロス円の下落がドル/円の反発にブレーキを掛けたことから111円台半ばを回復できないまま結果的に110円台後半を中心とした値動きに終始する一週間となりました。

中国の鉱工業生産、小売売上高など一連の指標が予想を下回るなど景気減速懸念が意識される中、上海株が年初来安値を更新したほか、人民元も対ドルでの年初来安値を更新するなど米国との通商問題による影響が表面化しつつあることも懸念材料の一つとてドル/円の上値抑制に影響しているかもしれません。

しかし、昨日は中国商務次官が米中通商交渉を再開することで通商問題の進展に期待する声も聞かれたほか、トルコに対してドイツをはじめとする欧州各国や一部中東諸国からトルコ向け投資に前向きな考えが示されるなど、先週末を挟んでのトルコリラの荒っぽい値動きも落着きつつあります。こうした中、17日発表の米ミシガン大消費者景況指数が昨年9月以来の低水準へ低下したほか、トルコの裁判所が米国人牧師の釈放を却下したことからトルコと米国との関係悪化懸念が高まり、ドル/円は一時110円32銭へ下落しました。一方、今週22-23日にワシントンで開催の米中通商協議をめぐり、11月に米中首脳会談を実現させることを視野にロードマップを作成中との報道も交渉進展への期待を高めたことでドル/円は110円66銭へ反発し110円50銭で先週末17日のNY市場の取引を終えています。

注目すべきポイントはここ!今週の見通し

今週は22-23日の米中通商交渉の行方が注目される中、23日には米国が中国からの輸入製品279品目160億ドル相当に25%の追加関税措置が発動され、中国も同規模の米国からの輸入品に関税を課す措置も発動されます。こうした中で報復合戦を繰り返す流れに歯止めを掛けることができるか米中通商交渉の行方が注目されます。この交渉がこじれることになれば更なる規模の追加関税が示唆される可能性もあり、リスク回避志向が強まる可能性もあるだけに注目されます。

一方、各国の金融政策を中心に23-25日に米ジャクソンホールで各国中銀総裁らを中心に講演やパネルディスカッションを中心に経済シンポジウムが行われ、中でも日本時間24日の夜のパウエルFRB議長の講演が注目されます。米FRBが年内あと2回の利上げを行うことが確実視され、新興国通貨が軟調地合いにある中、こうした動きに懸念を示すのか注目されます。さらに、貿易問題の影響が金融政策に影響を及ぼす可能性に言及があるか注目です。このジャクソンホールの前に公表されるFOMC議事要旨は、パウエル議長講演のヒントになるとされるだけに注目されます。

また、昨晩トランプ大統領のドル高歓迎発言に続き、クドローNEC(国家経済会議)委員長も「強いドルは米国に対する信頼の表れ」としてドル高を容認する発言をしており、米中通商交渉やパウエル議長の講演内容次第ではドル高に上振れる可能性もあるだけに先週8月13日の110円11銭を当面の下値として112円台を目指すことが出来るか注目です。

その他、トルコは今週休場となり流動性が低下する中、トルコと米国との対立に融和の兆しが見られるか緊張が高まるか、情勢次第では新興国通貨の動向にも影響が及ぶ可能性があるだけに引き続き注意が必要かもしれません。しかし、今回のトルコ下落は新興国危機には発展しないと思われます。1980年台前半の中南米危機や94年のメキシコ危機、97年のアジア危機などのケースではドル不足が発端となった経緯があるが、今回、米金利は3.0%手前の水準にあり急上昇していないこと、さらにトルコの対外債務などトルコ国内の財政問題に端を発した問題であり、ドル/円下落への影響も大きく広がるとは考えにくいと思われます。一時的に円買いが優勢となった場合でも110円割れは回避されると見る根拠の一つと考えます。こうした中で米中通商交渉進展への期待のほか、パウエルFRB議長の講演などを通じて、あらためて米FRBの金融政策の方向性の違いが強調されることとなればドルは堅調地合いへと転換していくと予想します。

今週発表される主な経済指標としては、以下が予定されています。

8月20日: 英8月住宅価格、独7月生産者物価指数、ユーロ圏6月建設支出 8月21日: 豪中銀政策委員会議事要旨公表、カナダ6月卸売売上高 8月22日: NZ4-6月期小売売上高指数、日本5月全産業活動指数、南ア7月消費者物価指数
カナダ6月小売売上高、米7月中古住宅販売
FOMC議事要旨公表、米中通商交渉1日目
8月23日: 日本前週分対内対外証券投資、仏8月企業景況感指数
仏・独・ユーロ圏、8月製造業・サービス業景況感指数PMI
米新規失業保険申請件数、米6月住宅価格指数、米7月新築住宅販売件数
米製造業、サービス業、総合景況感指数PMI
米中通商交渉2日目、米ジャクソンホール金融シンポジウム1日目
ユーロ圏8月消費者信頼感指数
8月24日: NZ 7月貿易収支、日本7月消費者物価指数、7月企業向けサービス価格指数
独4-6月期GDP改定値、米7月耐久財受注
米ジャクソンホール金融シンポジウム2日目、パウエルFRB議長講演

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