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2018/10/10更新

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先週のおさらいと今週のイベントと
為替動向の予想をお届けします。

3分でチェック 今週のポイント(経済イベントなど)

米長期金利上昇による日米金利差と米金利上昇による新興国懸念との綱引き?

上海株の動向次第ではリスク回避志向が高まる可能性も

米卸売物価指数や消費者物価指数、さらに米10年債入札の米金利への影響は?

中国貿易収支での対米黒字を契機に米中貿易問題が再燃するか

米7-8月期企業決算がNY株式市場の調整一服につながればリスク回避の緩和に

おさらいしよう!先週の動き

ドル/円 先週のレンジ 113.53-114.55

先週の振り返り

9月28日のドル/円は日経平均株価の年初来高値更新のほか、NYダウ先物の上昇を背景にリスク選好の動きを背景に堅調な値動きを続け、月末、四半期末のドル買いの動きも見られ113円71銭まで上昇するなど年初来高値を更新し113円68銭で取引を終えました。週明け1日には米国とカナダとの北米自由貿易協定が合意したことを好感し、114円台を回復しました。さらに英EU離脱交渉進展への期待からポンド/円も上昇するなどリスク選好の動きが強まり株高・円安の流れを継続しました。

その後は113円53銭を下値に114円台前半での小動きを続けていましたが、3日に発表された米9月ADP雇用統計が予想を上回ったほか、9月ISM非製造業景況指数が約21年ぶりの高水準となり、あらためて米国経済の堅調さを確認することとなりました。こうした中でパウエルFRB議長から「インフレ抑制のために段階的な利上げが必要」とタカ派色を強める発言が聞かれたことで米10年債利回りは10月4日に一時2011年5月以来となる3.23%台へ上昇するなど日米金利差が強く意識されたことから114円55銭まで上昇しました。

しかし、米国の急激な金利上昇は新興国からの資金流出懸念を想起させ、対ドルでの自国通貨安への警戒から利上げへの思惑につながるとアジアの主要株価指数は大きく下落するなどリスク選好から一転、リスク回避への警戒を高めたことでドル/円は113円64銭まで下落しました。米長期金利の上昇による金利差拡大を意識したドル高・円安の一方、急速なドル高の弊害への懸念を背景にしたリスク回避の円高との交錯によってドル/円は113円台後半から114円台前半で一進一退の小動きとなりました。

5日発表の米9月雇用統計では失業率が48年9ヵ月ぶりの低水準となる3.7%へ改善。一方、就業者数は予想を下回る13.4万人増へ伸び悩んだもののハリケーンの影響との見方もあり反応は限定的。また、直近過去2ヵ月分が上方修正されたこともドル売りを抑制。注目の時間給賃金は前年比+2.8%と前月(+2.9%)から鈍化。こうした中、米10年債利回りは2011年5月以来の3.246%へ上昇したことからドル/円は114円08銭まで反発。しかし金利上昇が企業負担につながるとの懸念を背景にNYダウは一時320ドル超の下落となったこともありリスク回避を背景にドル/円は113円53銭まで反落。それでも取引終盤にかけてNYダウの下げ幅縮小を好感し113円78銭で10月5日の取引を終了しました。

注目すべきポイントはここ!今週の見通し

10月5日の米9月雇用統計、中でも注目された対前年比時間給賃金は+2.8%と前月の+2.9%から鈍化したものの米長期金利が2011年5月以来の3.246%へ上昇。金利上昇を背景にNY株式市場は調整の動きを見せる可能性もあり、今週のアジア株式市場、特に連休明けの上海株式市場の動向次第ではリスク回避の動きが強まる可能性もあり注目されます。

ドル/円は先週10月2日、3日の安値がいずれも113円53銭、日足・転換線が113円55銭と113円台半ばを下値支援とする動きとなっていただけに、10月8日のNY市場での米中貿易問題を巡る先行き警戒感再燃の動きもあり一時112円84銭へ下落。早期に113円台半ばを回復できるか注目されます。訪朝を終えて中国との協力を得たい米ポンぺオ国務長官の訪中に対し、中国の王穀外相は米国の対中貿易問題への対応を非難したのに対し、米国も中国の通商政策や海洋進出問題を真っ向から批判するなど両国が非難の応酬を繰り返す後味の悪い結果となり、今週、あらためて米中貿易問題を巡る懸念がリスク回避の動きを強めることになるか、上海株や人民元の動向と合わせて注目されそうです。

一方、米長期金利が7年3ヵ月ぶりの高水準へ上昇し、金利高の衝撃がアジア株を直撃したほか、新興国から米国への資金流出への懸念もあり、ドル高・新興国通貨安となれば新興国は通貨防衛のために利上げを余儀なくされる可能性もあり、新興国の株安が助長される可能性もあるだけに、引き続き米金利や新興国の動向が注目されます。

ドル/円は先週4日の東京市場で一時114円55銭まで上昇したものの、先週末5日の雇用統計後には113円53銭へ反落、さらに週明け10月8日のNY市場では一時112円82銭まで下落するなど先週までのドル高の調整の動きが継続するのか注目されます。ドル高・株高といったリスク選好を短期間に膨らませ過ぎた強気観の修正局面が今週以降も継続するのか相場の方向性を占う上で最大の焦点になりそうです。

注目される材料としては、米長期金利の動向に市場の関心が高まる中、10日に実施される米3年債、10年債入札に対する応札状況のほか、米9月卸売物価指数、さらに翌11日に発表される米9月消費者物価指数などインフレ指標の行方が注目されます。10月5日に米10年債利回りは2011年5月以来となる3.246%へ上昇したことが嫌気され、4日のNYダウは一時350ドル超まで下落する場面が見られるなどリスク選好から一転、リスク回避の動きが強まる場面が見られました。今週の米インフレ指標や債券入札の結果次第では一段と金利が上昇する可能性もあるかもしれません。さらにこのところ沈静化している米中貿易問題を巡り、12日に発表される中国9月の貿易収支、特に対米黒字の結果次第ではトランプ大統領を刺激し、ツイート発信などへの警戒が高まる可能性もあり、上海株が大幅下落となればリスク回避の思惑を背景に円買いが優勢となることも想定され、注意が必要です。一方、今週から本格化する米大手金融機関をはじめとする7-9月期企業決算がNY株式市場の反発につながればリスク回避の動きが緩和される可能性もあり、注目されます。

今週発表される主な経済指標としては、以下が予定されています。

10月8日: 中国9月財新サービス業景況指数、スイス9月失業率、独8月鉱工業生産
米9月雇用情勢インデックス
10月9日: 英8月小売売上高、日本8月貿易収支、経常収支、豪9月企業景況感指数
日本9月景気ウォッチャー調査、独8月貿易収支、経常収支
カナダ9月住宅着工件数
10月10日: 日本8月機械受注、仏8月鉱工業生産
英8月貿易収支、8月鉱工業生産指数、製造業生産指数、8月月次GDP
米9月卸売物価指数、8月卸売在庫、8月卸売売上高、米3年債、10年債入札
カナダ8月住宅建設許可件数
10月11日: 英9月住宅価格指数、日本9月国内企業物価指数
仏9月消費者物価指数、カナダ8月新築住宅価格指数
米新規失業保険申請件数、米8月消費者物価指数、米30年債入札
米9月月次財政収支
10月12日: 日本9月マネーストック、前週分対内対外証券投資、8月第三次産業活動指数
豪8月住宅ローン件数、中国9月貿易収支
独9月消費者物価指数、ユーロ圏8月鉱工業生産
米9月輸入物価指数、輸出価格指数、10月ミシガン大消費者景況感指数

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